仕事をしている中で、ふっと「転職」が頭をよぎることってありますよね。
終身雇用が模範とされていた日本でも、ようやく「転職」が前向きに捉えられるようになってきましたね。
転職することは、何も特別な選択肢ではありません。
「転職もありなのかも」と思ったら、一度立ち止まって考える時間を作ってみませんか?
毎日忙しく過ごしていると、どうしても自分自身の気持ちを置いてけぼりにしてしまいがちです。ここで自分のことをあらためて知ってみると、きっと答えが見えてきますよ。
今回は、自分のことを知るためのツール「ストレングスファインダー」を使って、自分のことを知る方法をご紹介していきます。
転職を考える上で大切なこと
そもそもなぜ、転職したいと思ったのでしょうか。
連日残業が多くてヘトヘトだったり、仕事内容に対してお給料が見合ってないと思っていたりするなら、条件について不満があるのかもしれませんね。
仕事の規模感に物足りなさを感じているなら、やりがい面で不満を抱えているのかもしれません。
でももし、「仕事がうまくいかない」とか「なんだか理想と違う」と思っているのなら、もしかすると自分の今の状態に焦りを感じているだけかもしれません。
社会人になると、良くも悪くも変化が少なくなります。
学生の頃は毎年クラス替えがあって3年経てば卒業、次の学校へ…といった劇的な環境変化が自動的にもたらされてきました。
新しいクラスメイトに自己紹介したり、部活に挑戦したり。必然的に、自分自身を見つめる機会も多くなっていたはずです。
社会人になったら、自分でそういう機会を作らなければなりません。でも、それができていないとだんだんモヤモヤが蓄積して、ある時から「焦り」に変わってしまうのです。
そんな「焦り」を取り除くには、自分を知ることが一番の薬になります。焦りをなくしてみてから、転職したいかどうかを考えるのでも遅くありません。
自分を知ることで、選択肢の幅を広げていきましょう!
ストレングスファインダーで自分を知ろう
今回は、自分を知るためのツールとして「ストレングスファインダー」を利用してみます。
ストレングスファインダーは、177個の質問に答えることで自分の強みを分析してくれるツールです。
この本を購入すると、中にアクセスコードがついています。それを利用して、オンラインで受験する流れとなります。
(アクセスコードは1回しか使えません!そのため、この本は必ず新品を購入してくださいね。)
質問が多いので30分ほど時間がかかりますが、それだけにかなり精度が高く、「これ、まさに自分だ…!」と思える結果を手にすることができますよ。
ストレングスファインダーについては、詳しくこちらの記事にもまとめているのでご覧くださいね。
ストレングスファインダーの結果の見方
ストレングスファインダーは、人間の強みを4種・34個に分類しました。
試験を受けると、この34個の強みを自分に当てはまる順でランキング化され、そのうち上位5つを知ることができるようになっています。
ストレングスファインダーの本には34個すべての強みについて解説が書かれていますので、自分の上位5つの強みのパートを読んでみてください。
これだけでも十分、自分のことについて腑に落ちる感覚を得られますが、今回はさらに一歩踏み込んでいきます。
過去を深掘りして、自分が「何をしたいのか」考えてみよう
ストレングスファインダーの結果を利用しながら、自分が本当は何をしたかったか、どういう人になりたかったかを思い出してみましょう。
やり方は大まかに次の通りです。
- これまでの人生で、やってて楽しかったことを書き出す
- ストレングスファインダーの強みを当てはめる
これまでの人生で、やってて楽しかったことを書き出す
ここからはAさんを例にしながら説明していきます。
まずは、これまでの人生を振り返ってみたときに「楽しかった!」「夢中になれた!」と思えることを書き出していきましょう。
記憶がハッキリしていたり、自分で何かを選べるようになるのは小学校高学年くらいからなので、小学生時代〜社会人時代の幅で振り返るといいですね。
書き出すときは、「何がどう楽しかったのか」わかるように書くといいですよ。
Aさんに楽しかったことを書き出してもらったので、一部を紹介します。
<小学生>
・ワンちゃんの毎日のお散歩…ワンちゃんをずっと飼いたかったから嬉しかった。一緒に遊ぶのも、大きくなっていくのを見るのも楽しかった。
<中学生>
・学級委員…推薦されて嫌々やったのが最初だったけど、クラスがまとまっていくのが楽しかった。
<高校生>
・バトミントン部…副部長として全体の練習計画を立てるのが面白かった。県大会に進めて良かった。
<大学生>
・家庭教師のバイト…生徒が問題を解けるようになるのが楽しかった。
<社会人>
・事務職…山のような書類を処理するのが楽しい。
ストレングスファインダーの強みを当てはめる
一通り書き出すことができたら、ストレングスファインダーの結果を当てはめていきます。
Aさんの上位5つの強みは、次の通りです。
- 成長促進
- 共感性
- 戦略性
- 目標志向
- アレンジ
まずはこの強みの特徴を、改めて把握していきます。
ストレングスファインダーの本やネット上で、それぞれの強みについての解説を読むことができます。それらを今一度確認しましょう。
例えばAさんの1位の強みである「成長促進」の代表的な特徴は次の通りです。
- 誰もが持っている可能性を見抜き信じることができる
- 人の能力を伸ばして成長させるために努力し、小さな変化を喜べる
この特徴を把握した上で、先ほどの「楽しかったこと」を振り返ってみると、当てはまる部分が多いことがわかりますね。
成長促進が活きている部分を、赤字にしてみます。
<小学生>
・ワンちゃんの毎日のお散歩…ワンちゃんをずっと飼いたかったから嬉しかった。一緒に遊ぶのも、大きくなっていくのを見るのも楽しかった。
<中学生>
・学級委員…推薦されて嫌々やったのが最初だったけど、クラスがまとまっていくのが楽しかった。
<高校生>
・バトミントン部…副部長として全体の練習計画を立てるのが面白かった。県大会に進めて良かった。
<大学生>
・家庭教師のバイト…生徒が問題を解けるようになるのが楽しかった。
<社会人>
・事務職…山のような書類を処理するのが楽しい。
Aさんは形を変えながらも、ずっと誰かの成長を見届けてきたようですね。
また、ただ単に見守っているだけではなく、副部長や家庭教師時代においては自らが工夫することでメンバーの成果がアップするよう手を尽くしており、そこにも楽しさを見出していたと考えられます。
一見すると共通点がなさそうな事柄でも、ストレングスファインダーを通すことで隠された共通点を発見することができました。
2〜5位の強みについても、同じ要領で当てはめていきましょう。
同じ「楽しかったこと」でも、複数の強みが当てはまるパターンもあります。社会人での楽しかったことを例にして説明します。
<社会人>
・事務職…山のような書類を処理するのが楽しい。
山のような書類を処理するためには、段取りを組む必要がありますね。ここには3位の「戦略性」と5位の「アレンジ」が大きく影響しています。
また、無意識のうちに「山のような書類を全部処理し終える」という目標を設定していることから、4位の「目標志向」も活きているようですね。
社会人の事務職経験は、Aさんの3〜5位の強みを存分に活かせている環境のようです。
自分が「楽しい」と感じることを通じて、自分自身を改めて知ることができてきました。
改めて、転職について考えてみよう
自分の強みが具体的に見えてきたところで、改めて転職について考えてみましょう。
今の職場では、自分の強みを十分に活かせているでしょうか?
自分の現状に「焦り」を感じている人は、強みを活かしきれていないのかもしれません。あるいは、なりたいと思っていた自分の像と離れていっていると感じているのかもしれません。
例えばAさんは「今の仕事は達成感はあるけれど、このままでいいのか焦る」と思っていました。
たしかにAさんの今の仕事では3〜5位の強みを活かせているものの、これまでの人生で活用し続けていたトップの強みである「成長促進」は活かせてなさそうでしたね。
だからこそ実は「やりがいに欠ける」「思っていた自分と違う」と思っていて、焦りを感じていたのかもしれません。
ここからAさんが「成長促進を活かせる教育担当の職種に異動希望を出す」のか「成長促進を活かせる別業種に転職する」のかは、他の条件も踏まえながら突き詰めて考えていくべきです。
でも、仕事の中で「成長促進を活用したい」という軸を見つけることができたので、方向性が定まってきましたね。
自分を知ることで、焦りの根本的な原因と今後の方向性をつかむことができるのです。
まとめ
転職するかどうか悩んだら、まずは自分を知ることが大切です。
それは、自分がどうして転職したくて悩んでしまっているのか、自分を知ることで根本的な理由と今後の方向性をつかめるようになるからです。
①ストレングスファインダーを受ける
②これまでの人生で、やってて楽しかったことを書き出す
③ストレングスファインダーの強みを当てはめる
自分を知って、転職すべきかどうかの悩みを一歩前進させましょう!