今回は、『中学校の教師』として実際に働いていた方から、中学校の教師の仕事内容について聞きました。
- 子どもと関わる仕事に就きたいけど、どんな仕事があるんだろう?
- 中学校教師に興味があって、実際の仕事の内容を知りたい
- 中学校の教師として働いているけど、他の学校の先生はどんな働き方をしているの?
今回は、そんなお悩みをお持ちの方に参考にして欲しい内容です!
- 中学校教師の実際の仕事内容は?
- 中学校教師の1日のスケジュールは?
- 中学校教師の仕事のやりがいはどんなこと?
中学校教師の実際の仕事内容は?
中学校教師の実際の仕事は、だいたいこの4つに分けられます。
- 授業に関係すること
- クラス運営に関係すること
- 行事など学校全体の業務に関係すること
- 部活動
順番に実際の仕事内容について見ていきましょう。
授業に関係すること
授業の準備をする
何の準備もせずに教室でいきなり授業を始められる先生はいません。
授業の前に生徒に教えるところを予習し、配布するプリントなどを準備しておきます。
生徒の理解度によって教材をどこまで掘り下げるか、用意する練習問題の難易度などを少しずつ調整します。
試験問題の作成と採点
定期試験の問題を作るのも先生の役目。
授業で習った内容をどのくらい理解しているか評価するため、適切な問題作りが求められます。
テスト問題を作り終わった後も、すぐに採点と成績表の作成が待っているので気が抜けません。
採点の難易度は教科によりますが、記述問題のある教科は採点担当の先生たちで何回も打ち合わせをして採点基準を決めます。
教材選び
公立学校は都道府県の教育委員会がその地域で使う教科書を決めています。
私立の場合、教材の採択は学校ごとに行うため、実際に授業を担当する先生たちが話し合って決めます。(最終的な決定権があるのは校長先生です。)
問題集など、教科書以外の教材(補助教材と呼びます)を選ぶのも先生の仕事です。
教科書だけだと練習量が少なくなって、学力がつかない恐れがあるためですね。
教材費の負担も考えながら、必要な範囲の中で選びます。
クラス運営に関係すること
クラスの担任になると、保護者との面談や生徒の進路相談なども仕事になります。
ひとりひとりの学習の悩みの相談に乗ったり、家庭訪問に行ったりすることも。
いじめが発生したときは、被害者のケアや加害者の指導などの大切な仕事も行います。
日誌などの提出物を確認したり、配布物を準備したりといった事務作業も意外と多いですよ。
行事など学校全体の業務に関係すること
体育祭や文化祭など学校全体で実行する行事では、先生ひとりひとりに生徒指導や巡回などの仕事が割り振られます。
出し物を決めたり、リレー選手を選んだりするといったクラス単位の仕事とも関係が深い仕事です。
修学旅行や遠足のように学年単位で行う行事でも、遠足バスの手配やしおりの作成など、担当する学年の先生たち全員で細かい役割分担をします。
その他、3年生の担任は生徒の進路指導も大切な仕事です。
生徒を引率して校外に出ることもあるんだ。
部活動
部活動の顧問も先生の仕事です。
最近では「部活動指導員」という制度が導入され、外部の方に顧問を担当してもらうことも可能になりました。
ですが、現状では全ての学校・部活で部活動指導員に来てもらえるというわけではありません。
運動部や一部の文化部は大会を目標に土日も練習することが普通です。
平日も早朝練習や放課後練習の時間があります。
引率や監督だけでなく、生徒がケガをしたときの対応も求められます。
中学校教師の1日のスケジュールは?
こちらが中学校教師の1日のスケジュール例です。
7:00 | 出勤 当日の授業で使う教材の準備などをします。 |
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8:00 | 朝の登校指導 当番の先生は交通安全の指導や、挨拶運動をします |
8:30 | 職員朝礼 学校全体で伝達事項を共有します |
8:45 | ホームルーム 担任する教室で欠席者・遅刻者の数を数えて、今日の伝達事項を生徒に話します。 提出物の回収や、プリントを配ったりすることも。 |
9:00~16:30 | 授業の時間 昼休みが45分間入ります。 先生たちは受け持っている教室を回って授業をします。 授業のない時間は小テストの採点や校内巡回、次の授業の準備などをしています。 |
16:30 | ホームルーム 担任する教室に戻り、明日の持ち物や伝達事項を伝えます。 ホームルーム終了後は生徒と一緒に教室の掃除も。 |
16:50~18:00 | 部活指導 終了後は後片付けも指導します。 生徒が下校したら校内の見回りをし、戸締まりチェックがあります。 |
18:00~19:30 | 翌日の授業準備など 教材準備や学年通信の編集など、昼間のうちに終わらなかった仕事を片付けます。 欠席した生徒の保護者に連絡するのもこの時間が多いです。 |
19:30 | 退勤 |
中学校教師のスケジュールは様々なことに影響を受けています。
- 担当する部活の活動時間
- 校内での役割分担(見回り指導など)
- 時期(行事、テスト、長期休暇の前、学年末などの時期)
- 落とし物などのトラブル
慣れてくると次の日、1週間後、1ヶ月後のスケジュールを見越して計画的に仕事ができるようになります。
「人と関わる」という仕事の特性上、突発的なトラブルが発生して予定変更を余儀なくされることもあります。
中学校教師の仕事のやりがいはどんなこと?
中学校教師をやっていてやりがいを感じるのは、やはり生徒の成長に立ち会えることです。
生徒の成長に立ち会える
教師という仕事のやりがいは、なんと言っても「人の成長」にあります。
- 生徒が、「わかった!」と言ってくれたとき
- 「友達ができるか不安」と言っていた生徒がクラスで友達と楽しそうにしていたとき
- 生徒の得意なことを見つけて褒めたら、笑顔を見せてくれたとき
自分が指導する中で生徒の様子が変わっていくときはもちろんですが、友達や周りの大人に感化されて生徒が自発的に変わっていくのを見ることができるのも教師の仕事の醍醐味です。
生徒と喜びを共有できる
生徒と一緒になって様々な行事に関わったり、時にはトラブルを解決したりすることで「がんばった」「成長した」という達成感や充実感を共有できることも大きなやりがいの一つです。
まとめ
- 中学校教師の仕事内容は授業やクラス担任だけじゃない
- 中学校教師のスケジュールは部活動や季節、その日の出来事にも影響を受け
- 教師の仕事のやりがいは生徒たちの成長、人との関わり
今回は中学校の教師の仕事内容について紹介しました。
教師の仕事は多岐にわたることもあって、先生たちひとりひとりの個性も様々。
それぞれ得意な分野も異なります。
部活指導を熱心にする先生、授業がわかりやすいと評判の先生、悩みの聴き役になれる先生など、個性豊かです。
「自分は生徒にとってどんな教師でありたいか」
ということを、先輩たちのやり方から学びながら働くのです。
あるべき姿が決してひとつではないからこそ、教師の仕事は面白いのだと思います。