今回は、『一人薬剤師』として実際に働いていた方から、一人薬剤師の仕事について聞きました。
調剤併設ドラッグストアで、手当目当てで応援要員に立候補し続けて、早8年。色んなパターンの合計20薬局以上で、一人薬剤師を経験しました。
今回はそんな私が、
- 一人薬剤師の仕事内容
- 一人薬剤師はなぜきついと言われるのか
- 一人薬剤師で昼休み休憩をとるコツ
- どんな求人を選べば、一人薬剤師でも働きやすいのか
- 一人薬剤師だからこそのやりがい
を、徹底解説していきます!
一人薬剤師って、必ずしも辛いだけじゃないんです。ちょっとしたコツで、マイペースに仕事ができるようになりますよ!
少しでも気になる方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
一人薬剤師の仕事内容
調剤業務
一人薬剤師だからといって、複数人で働く調剤薬局の仕事内容と、何か違いがあるわけではありません。どこの病院の処方せんでも受付し、患者さんに処方薬をお渡しします。
調剤業務の流れとしては
- 処方箋の確認、内容をパソコンへ入力
- 薬の準備
- 準備した薬の監査
- 患者さんへの投薬
- 会計
このような感じです。
「投薬」は患者さんへ説明をして、薬を渡すことだよ!
市販薬の相談対応
第一類医薬品や要指導医薬品は、薬剤師の資格がなければ販売することができません。販売して問題ないかの確認と、患者さんの質問に答えるのも大事な仕事です。
全て一人で頑張る
一人薬剤師一番の問題は、この仕事全てを、丸一日、自分一人でこなさなければいけないということ。いわゆるワンオペ状態です。
薬剤師とは別に、医療事務さんが居る場合もありますが、処方箋枚数の少ない薬局などでは、医療事務なしの完全一人のことも多いです。
1日に受け付ける処方箋枚数は、少ないところで数枚。上限は法定されており、一人薬剤師の場合、1日40枚以上の処方箋を受け付けることはできません。
一人薬剤師はなぜきついと言われるのか
クレームを受けやすい
一人薬剤師の場合、どうしても待ち時間が長くなりがちなので、待ち時間が長いというクレームは非常に多いです。
また、薬剤師が一人だと、患者さんは呼ばれる順番を意識しがちになるので、事前に準備済みだった患者さんを先に投薬すると、
- 後から来た人に順番を抜かされた
- 待ち時間が長すぎる
というクレームが出ることもあります。
一人薬剤師の場合、待ち時間の短縮には限界があります。どうしても待ち時間を短くできない場合は、
- 具体的な待ち時間を伝える
- 呼び出しの順番が前後する場合に注意する
などの対策が大切です。
他人に監査してもらえないので、調剤ミスが不安
一人薬剤師で怖いのが、調剤ミスなどのインシデントです。
- 監査システムを活用する
- 単純な計算にも電卓を使用
- 処方箋の原本を使って監査する
など、客観的な情報を取り込むことで解決しましょう。
ちょっとしたことを聞ける相手がいない
一人薬剤師で意外に困ることの1つが、疑問を全て自分で解決しなければいけないところです。薬局に自分1人しか薬剤師が居ないので、ちょっとしたことを同僚に聞くことができません。仕事中に、「あれ…これって…?」ということがあっても、何とか自分で解決しなければいけないのです。
そんな不便を解決するには、
気軽に何でも相談できる相手をたくさん作っておく
ことが大切です。
一人薬剤師は、とにかく仕事の効率化が最優先。ゆっくり調べ物をする時間も勿体無いので、手っ取り早く、信頼できる人に電話して聞きましょう。
昼休み休憩が取れない
一人薬剤師で最もよく聞く悩みが
休憩が取れない
という悩み。
これに関する解決策は、とにかく体力を温存することです。
どういうことか、くわしく説明していきます。
一人薬剤師で昼休み休憩をとるコツ
一人薬剤師デビューした薬剤師がまずぶち当たるのが、
「休憩がとれない」
という問題です。
お昼ご飯を一口食べては呼び出され。また一口食べては呼び出され、そのまま忙しくなって弁当箱は開けっぱなしのまま放置・・・
一人薬剤師あるあるです。
しっかり休憩を取るには、どうしたら良いのでしょうか?
その日1日が忙しいのか、暇なのか。正直言って正確に予測するのは、まず不可能です
一人薬剤師で大切なのは、休憩は、タイミングにこだわらずに取れるときにとることです。
昼休憩は12時からって決まっているわけではありません。患者さんが途切れて手が空いたときには、11時だって10時だって、休憩に入ればOKです。
休憩が中断されたら、悲しいですが、その時はその時。1日トータルの休憩時間が確保できていれば、体力的には乗り切れるはずです。
それでも、まったく休憩が取れないというときは、そもそも人員配置がおかしいです。会社に改善依頼をしてみましょう。
薬剤師の補充が難しくても、
- 医療事務を入れてもらう
- 分包機を自動にしてもらう
- 忙しい時間だけヘルプの薬剤師に来てもらう
などの対処で、かなり環境は改善されるはずです。
会社が何のアクションも起こしてくれないときは、自分の心と体を大切に。もっと働きやすい環境を探して、転職というアクションを起こしてみるのも一つの方法ですよ。
どんな求人を選べば、一人薬剤師でも働きやすいのか
ハード面が充実している会社
会社によって、設備の充実度は全く違います。
一人薬剤師の求人に応募するときは、調剤ミスを防止するシステムがあると安心です。
- ピッキングの監査システム
- 水剤の監査システム
- 散剤の監査システム
3つが揃っている会社を選ぶのがベストです。
- 薬歴の音声入力
- 自動分包期
- 軟膏MIXの機械
など、時短のための設備も整っていると、休憩時間の確保にもつながるので、さらに良いです。
ソフト面が充実している会社
一人薬剤師で働くなら、設備だけでなく、人員面でのサポートも重要です。
- 医療事務ありの一人薬剤師か
- 医療事務なしの一人薬剤師か
それぞれ忙しさが全く変わってきます。必ず確認しましょう。
また、
- 近隣からの薬剤師応援あり
- 近隣からの薬剤師応援なし
も、要チェック。急な体調不良のときや、患者数が大爆発してどうにもならないときに、近隣からヘルプに来てもらえるかは重要です。
相応の待遇をしてくれる会社
一人薬剤師は、精神的にも体力的にも消耗することが多いのも事実。
それ相応の待遇を求めていきましょう。
基本給とは別に、
- 一人薬剤師勤務に対する手当
- 休憩時間が確保できなかった時の慰労金
などが設定されている会社もありますよ。
このようなことは、求人には書かれていないので、応募する前に必ず質問しましょう。自分で根掘り葉掘り聞くのはちょっと・・・という人は、転職サイトのコンサルタントを通して確認してもOKです。
一人薬剤師だからこそのやりがいもある
ここまで読んで、一人薬剤師って何か怖そう・・・と思ったあなた。
一人薬剤師って、辛いことばかりではありません。
- 全ての仕事に責任感をもって取り組める
- 会社から評価され易い
- 人間関係のいざこざがない
- どうすれば最も効率的よく仕事をできるか考えるようになる
- レセコン入力する機会が多く、レセコンの扱い方を覚えられる
など、マイペースに働きながら、薬剤師としてスキルアップするには、もってこいの環境ですよ。
まとめ
- 一人薬剤師は確かにきつい部分もあるけど、対策はできる。
- どんな会社で一人薬剤師として働くかが、運命の分かれ道
- 上手くいけば、マイペースに働きながら、薬剤師としてスキルアップできる
いかがでしたか?
皆さんのお仕事選びに、少しでもお役に立てれば嬉しいです!